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はじめての命「まき」 なかむら こういち
▼人の幸福と不幸は、表裏一体のものなのかもしれません。兵庫・淡路大震災もまた、一瞬にして、幸福な人びとを地獄におくってしまいました。 ▼なぜ「まき」が「全身に煮え湯」をあびたのか、その原因は不明ですが、幼い生命が、傷ついたのです。「まき」の泣き声は、傷の痛さに耐えかねたからでしょう。祖母の涙は、孫の悲鳴が心にささったためでしょう。母の涙は、自分の肉体の一部をもぎとられた思いのためでしょう。そして、父の祈りがありました。「心にきずをのこすな」と。 ▼父は、ぽつりと私に語ってくれました。「私にとって人権とは『まき』のこれからの人生です」と。この四人家族に、輝く幸せがめぐりきますように、私はそっと祈っています。 この作品は、広島県海田教育委員会編、人権啓発冊子『いのちのかがやき』(1996年)によります。 人権読本 じんけんの詩U(明石書店)編者 今野敏彦/さし絵 美馬須美子 から |
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